自然科学、工学の分野では、データをさがすことが研究活動のかなりのウエイトを占めるものと思われます。日本化学会の化学情報によれば、数値データ(測定値、観測値)、標準データ(標準物質を含む)、定性データ、などに区分しています。
このようなデータには、物理化学定数、天文気象データ、薬学関係のデータや製造に関する規格・データなどがありますが、ここでは、物理化学定数と規格に限定して紹介しておきます。
各種の数値は、測定方法などによって異なることがあるために、2、3の定数表を見ることが必要です。また、場合によっては、引用文献に遡る必要性もでてきます。数値の形式をとるデータ、数値データは、論文情報のように索引法が確立しておらず、二次資料から直接さがし出すことは困難です。
データの刊行される形式としては、学術雑誌論文、テクニカル・レポート、データ誌、ハンドブックおよびデータ集などの形で発表されますので、いろいろな資料から調査する必要があります。
なお、データ調査には、次の資料を使って調査するのも簡便な方法です。
また、物質の諸性質を調べる場合、定数表には二つのタイプがあります。
各種物質、工学材料の諸性質の数値を表で示したものです。いくつかのデータ情報を評価し、数値を定め、データ集の信頼性を高めるために、一次資料を明記してもとの文献にたどれるようにしたものです。この資料は、相互参照の索引を上手に利用すると、詳しい数値がえられます。
が高く評価されるのは、単に手数をかけてデータ集作りを行っているだけではなく、その分野での動向や展望を解説しているからです。
科学データブックとしては、実用を中心に暦、天文、気象、物理化学、地学の各部に区分して、日常使用をせまられる定数、資料を収録しています。物理化学の部は、単位、元素、物性、熱、音、光、電磁気、原子、分子、原子核などの各章に分け、基礎的な図表、数値類の諸々の数表、統計を各種の既刊データ集や文献から採録されています。
物理学の研究者、教育者、学生ばかりでなく、物理実験や物理的測定を行う他の科学技術分野の人々にも広く愛用されている。